20 直接原価計算Ⅰ(P.126~127)
直接原価計算は、変動費と固定費に分けて、変動費については、通常の原価計算(期首や期末の仕掛品や製品を考慮)を行い、経営者が管理することのできない固定費に関しては、期間費用として処理する原価計算です。
直接原価計算に対して、今まで学習してきた原価計算は全部原価計算と言います。
直接原価計算(Ⅰ)の用語
- 変動製造マージン:「売上高」から「変動売上原価」を控除した利益
- 貢献利益:「変動製造マージン」から「変動販売費」を控除した利益
問題20-1
与えられた資料から分かる金額を先に順に埋めて行くと良いです。
次の数字はすぐに書き込めると思います。
使った金額に線を引くなどして消していくと、次の金額が残るかと思います。
- 直接材料費
- 直接労務費
- 変動製造間接費
この合計額が「当月製品製造原価」になります。
問題20-2
先ず、各期の数量の流れをT勘定に表してみます。
本問は、期首や期末の仕掛品がないので、製品だけに着目します。
この色を変えた部分が重要です。
要は、第2期の期末製品(→第3期の期首製品)です。
期末や期首がなければ、全部原価計算でも直接原価計算でも、営業利益は同じです。
でも、期末製品があると、全部原価計算の場合、固定製造間接費は販売分だけ計上するので、売上原価は次のようになるはずです。
- 変動製造原価300×販売個数5,000=1,500,000
- 固定製造原価2,700,000×5,000/5,400=2,500,000
- 合計4,000,000
それに対して、直接原価計算は、変動費だけで変動売上原価を計上します。
- 変動製造原価300×販売個数5,000=1,500,000
固定費に関しては、全額を期間費用(当期の費用)として計上する訳です。
2,700,000円も販売分と期末製品分に按分しません。
全額、第2期の費用にするわけです。
その結果、400個分の固定製造間接費200,000分だけ営業利益が少なくなります。
逆に、第3期は、それが繰り越してきて期首製品として残っているので、営業利益が多くなることになります。(期末の数量は0だから)
第3期の売上原価
- 変動製造原価300×販売個数4,900=1,470,000
- 固定製造原価2,700,000×4,500/4,500=2,700,000
- 期首製品に含まれる固定費:第2期より200,000
- 合計4,370,000
自分の求めた結果が正しいかどうかは、固定費調整というものを行います。
第1期:期首も期末もないので同額
第2期:直接原価計算の営業利益1,600,000+期末に含まれる固定費200,000
=全部原価計算の営業利益1,800,000
第3期:直接原価計算の営業利益1,490,000-期首製品に含まれる固定費200,000
=全部原価計算の営業利益1,290,000
本問は、期首か期末の片方しかありませんが、両方ある場合は、次の算式です。
これに、期首や期末の仕掛品が絡んで来ても同じです。
直接原価計算の営業利益
+期末に含まれる固定費
-期首に含まれる固定費
=全部原価計算の営業利益
慣れて来られると、上の流れのように、理屈を考えるとお判りいただけるかと思いますが、取り敢えず、直接に期末は足して期首は引くって感じで覚えてください。
逆に、全部原価計算の営業利益から直接原価計算の営業利益を求める場合は、その逆になる訳ですね。こういう問題も出たりするんですよねぇ。(;^_^A
家庭菜園のラズベリー
家庭菜園のラズベリーが次々色づいてくるので、帰宅後、収穫して、ジャム(というか、毎朝のヨーグルトなどにかけるフルーツソース)にしました。
古くなったフェンスで棚状にしてあるのですが、下は、ローゼルが芽を出し始めました。
季節は、間違いなく流れていますね。
ベリー系はとげがあって痛いので、炊事用の手袋をして収穫します。(;^_^A
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