皆さん、こんばんは。(^^)
今日のYahoo!ニュースのトップ記事に「<所得税改革>基礎控除の拡大検討 低所得層の負担減」というのがありました。
一般の方は、「これってどういう意味?」って思われるかも知れませんので、生徒さん向けに少し所得税の話題を書いてみたいと思います。
よく、主婦の方で「103万円までなら働いてもOK!」みたいなことを話題にされることも多いかと思いますが、何故、103万円までならOKかということはご存知だと思います。
そうです!103万円までなら所得税が掛からないからですね。(^^)/
でも、何故103万円までの収入なら所得税が掛からないか?っていうのは、意外と考えられたことがないかも知れません。
その辺りを含めて、今回の税制改正の内容をご一緒に見て行きたいと思います。
これ以降は、仮に、お給料以外の収入が無いと仮定してのお話になります。
所得税は、次の手順で計算されます。
1.給与等の収入金額
給与や賞与の合計額です。
2.給与所得控除額
上の画像により計算します。(国税庁のサイトより引用)
これは、事業者の経費と同じような意味合いのもので、お給料をもらって働いている人も、これくらいの費用は掛かるであろうと見做して、給与等の収入金額から控除してもらえる額になります。
具体例として、次の4パターンを挙げてみます。
①103万円の人
1番上の行の180万円以下に該当しますので、
103万円×40%=41万2千円ですが、65万円未満の場合は65万円になります。
②300万円の人
2番目の行の180万円超360万円以下に該当しますので、
300万円×30%+18万円=108万円になります。
③500万円の人
3番目の行の360万円超660万円以下に該当しますので、
500万円×20%+54万円=154万円となります。
④1,000万円超の人
一番下の行に該当しますので、
220万円(上限)ということになります。
つまり、収入金額によって計算式は異なりますが、最小65万円、最大220万円です。
3.所得控除後の金額
1-2で求めます。
具体例の場合、次のようになります。
①103万円の人
103万円ー65万円=38万円
②300万円の人
300万円ー108万円=192万円
③500万円の人
500万円ー154万円=346万円
④1,200万円の人
1,200万円ー220万円=980万円
4.所得控除額
「配偶者控除」、「扶養控除」、「社会保険料控除」、「生命保険料控除」、「医療費控除」などをよく耳にされると思いますが、それ以外に、誰でも控除してもらえるものとして「基礎控除」というものがあります。
これは、現在、一律38万円になります。
5.課税所得金額
3-4で求めます。
4はイメージをしていただいてもお分かりかと思いますが、その人によって金額が異なります。
ただ、「基礎控除」だけは全員一律に控除してもらえます。
ということで、
3の「所得控除後の金額」が38万円だった人は、
38万円-38万円で0円ということになります。
6.所得税額
5の金額に所定の税率(5%~45%)を掛けて求めます。
5の金額が大きい人ほど、税率が高くなります。
ちなみに、5の金額が195万円以下の人が5%になり、4,000万円超の人が45%になります。
つまり、給与等の収入金額が103万円だった人は、0円に最低税率の5%を掛けても0円となり、所得税が0円となる訳です。
よく、「1億円プレーヤーとかは、半分くらいが税金で持って行かれちゃうから~」なんて、お話も耳にされると思いますが、最大の税率が45%なので、半分くらいと表現される訳です。
検討されている税制改正の内容
今回の税制改正は、4の「基礎控除」の額を38万円から引き上げるというものです。
ただし、その前段階の2の「給与所得控除額」の額を一律に引き下げるようですので、結果的に、高所得層は負担増になり、低所得層は負担減になるとされています。
もちろん、まだ決定事項ではありませんが、リンク先のニュースの内容は、こんなような意味になります。
年末調整(毎月、仮の所得税が給与や賞与から控除されているため、上の流れで1年間の正しい所得税額を計算して、正しい金額に調整する作業)の時期も近づいていますので、ご自分の所得税について、ちょっと考えてみられるのも良いかも知れません。
「ふるさと納税(後編)」のテキストには、今日のような内容も書いてみる予定です。
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